こんにちは!
株式会社ジャパン・エンダストリアルのインターン生の 小糠愛乃です。

業務効率化が求められる今、専門的なプログラミング知識がなくても業務アプリを開発できる「ノーコード/ローコードツール」が注目されています。

今回のセミナーでは、kintone・Power Apps・AppSheetという3つの代表的なツールについて、企業の講師の方々から説明を受け、実際に触れてみる機会を得ました。

これまで一度も使ったことがなかったツールでしたが、それぞれの特徴や強みに触れ、自分自身の将来にも関わる大きな学びを得られました。

初めて知ったこと・印象に残ったこと

今回のセミナーで紹介された3つのツール(kintone / Power Apps / AppSheet)は、すべて初めて触れるものでしたが、それぞれに様々な特徴があることに驚きました。

特に印象深かったのは、Power Appsについて講演されたジャパン・エンダストリアルの杉山さんによる説明です。

PowerAppsを活用した業務効率化の実例が豊富に紹介され、「現場の人が自分たちで作る」という市民開発(Citizen Development)の考え方に強く共感しました。
従来、アプリケーション開発は専門的な技術者のみが行う領域というイメージがありましたが、業務の現場にいる人々が直接的に改善ツールを作成できるという発想は、まさに働き方改革の新しい形だと感じました。

杉山さんの講演で特に印象的だったのは、メリットだけでなくデメリットも率直に話してくださった点です。

Power Appsの導入における課題や制約、運用上の注意点なども包み隠さず説明されており、この誠実な姿勢に非常に好感を持ちました。
単なる製品紹介ではなく、実際の導入を検討する際に本当に必要な情報を提供してくださったことで、より現実的で実用的な判断材料を得ることができました。

「難しそう」という先入観を持っていたアプリ開発が、身近で実用的なものとして捉えられるようになったことが大きな収穫でした。

それぞれのツールの違いや強み

kintone(サイボウズ)

業務日報管理や顧客情報管理において、その使いやすさが際立っていました。

豊富なテンプレートから短時間でアプリケーションを作成できる手軽さと、ノーコードでのカスタマイズ性の高さが特徴的です。
日本企業が開発したツールであることから、日本の業務慣行に適したインターフェースや機能が充実している点も魅力的でした。

Power Apps(Microsoft)

Microsoft 365エコシステムとの連携力が最大の強みです。

Excel、Teams、SharePointなどの既存のMicrosoft製品との親和性が高く、企業内での導入障壁が低いという利点があります。
また、ビジネス向けの拡張性とユーザーインターフェースの自由度が高く、より複雑な業務プロセスにも対応できる柔軟性を持っています。

AppSheet(Google)

Googleスプレッドシートとの強力な連携機能が印象的でした。

モバイル対応に優れた軽量なアプリケーションを短時間で構築できる点が特徴で、スマートフォンやタブレットでの利用を前提とした業務に適しています。
グローバルでの利用実績が豊富であることも、信頼性を物語っています。

これらのツールを業務に活かすとしたら、社内申請フローの自動化、備品管理システム、出張申請・承認システムなど、定型的な業務プロセスの効率化が最適な適用だと考えられます。

自分自身の学びや気づき

今回のセミナーを通じて、「アプリケーション開発には専門的なプログラミング知識が必要」という固定観念が覆されました。

業務の現場にいる人々が、自身の業務経験と課題認識を活かしてツールを使った改善提案や開発を行うことができるという発見は、自分自身の可能性を大きく広げるものでした。

特に印象に残ったのは、「まずは小さく作って、試して、改善する」というアプローチの重要性です。
完璧なシステムを最初から作ろうとするのではなく、現場のニーズに応じて段階的に改善を重ねていく姿勢が、これからのデジタル化時代において不可欠な考え方であると実感しました。

この学びは、技術的なスキルの習得だけでなく、問題解決に対する基本的な姿勢や思考の変化をもたらしました。

講師の話し方や進め方

特に印象深かったのは、Power Appsの講師である杉山さんの講演スタイルです。

実際の導入事例などを効果的に織り交ぜながら、専門用語を極力使わずに分かりやすく説明されており、最後まで集中して聞くことができました。

特に、メリットだけでなくデメリットも正直に話してくださった姿勢です。
多くの技術紹介では良い面ばかりが強調されがちですが、杉山さんは導入時の課題などの注意点や使用時の難しさも包み隠さず説明されました。
この誠実で現実的なアプローチにより、受講者として真に有益な判断材料を得ることができ、信頼性の高い情報として受け取ることができました。

杉山さんのプレゼンテーションで一貫していたメッセージは、「まず作ってみることが大事」という実践重視の姿勢でした。理論的な説明に終始するのではなく、実際に手を動かすことの重要性を繰り返し強調されていると感じ、この姿勢が受講者の心に強く響いたと思います。

講演全体を通じて、技術的な詳細よりも「なぜその技術が必要なのか」「どのような価値を生み出すのか」という本質的な部分に焦点を当てた説明が印象的でした。

自分の将来やキャリアとの関係

業務効率化や業務改善に対する関心が高い私にとって、これらのツールを活用することで、現場で働く人々の働きやすさをサポートする役割を担えるのではないかという展望が開けました。

デジタルトランスフォーメーション(DX)が必要な現代において、将来的には非エンジニアでも開発に関わることが当たり前になる時代が到来すると予想されます。
このような時代の変化に対応するためには、今回学んだようなノーコード・ローコードツールの知識とスキルが重要な差別化要因になると考えています。

特に、技術的なスキルと業務知識の両方を持つ人材として、IT部門と現場部門を橋渡しする役割を果たせるよう、継続的な学習とスキル向上に取り組みたいと思います。

もっと知りたいと思ったこと・質問したいこと

今回のセミナーでは各ツールの基本的な機能や特徴について学ぶことができましたが、実際の企業導入を検討する際に重要となる以下の点について、より詳しく知りたいと感じました。

費用対効果とコスト構造

それぞれのツールには無料枠やトライアル版が用意されていますが、実際に企業内で本格的に活用する場合の費用感や運用体制についてはもう少し詳しく聞いてみたかったです。
ユーザー数の増加に伴うコストの変化や、長期的な運用コストの見込みなど、経営判断に必要な情報が不足していたと思います。

セキュリティとガバナンス

アプリケーションの保守やセキュリティについて、企業の重要な業務データを扱う以上、これらの観点は非常に重要です。
実際に業務で使用するにはどの程度の知識やサポート体制が必要なのか、情報セキュリティポリシーとの整合性をどのように確保するのかといった点について、次の機会にぜひ掘り下げて学びたいです。

導入プロセスと変更管理

現場での実際の導入プロセスや、既存の業務プロセスからの移行における課題と対策についても、実践的な知識を深めたいと考えています。

おわりに

今回のセミナーは、ノーコード・ローコードツールの可能性を知るだけでなく、これからの働き方や業務改善に対する考え方を根本的に見直すきっかけとなりました。
学んだ知識を実際の業務に活かすために、まずは小さなプロジェクトから始めて、段階的にスキルと経験を積み重ねていきたいと思います。