こんにちは!ジャパン・エンダストリアル杉山です。

最近、実習をしていて改めてなぜ報告と連絡、相談が大切なのかを考える機会がありました。自分が学生のときも、その重要性はわかりませんでした。

まず、結論からいうと報連相はビジネスマナーではなく、信頼を構築する行為であると考えています。ビジネスマナー研修などのラインナップにあるため、新社会人向けのような印象を受けますが、決してそうではない。


信頼とは何か

私が考える信頼の定義は、

信頼とは、約束と実行によって蓄積されるものである。

「約束する」「実行する」——この往復が繰り返されることで、信頼が生まれます。

約束とは、「なにを」「いつまでに」やるかです。

弊社のインターン生で仕事を依頼すると必ず「いつまでにやりますか?」と納期を確認してくれるメンバーがいます。(本来は私が期日を共有すべきですが。)この納期を確認するという行為は約束に該当し、私にとって前向きな印象になります。こういう細かい行為が人に安心を生みます。

弊社のメイン事業であるコンサルティングや研修のようなソフトビジネスは約束の積み重ねが顧客の安心と満足を生みます。私はこの信頼構築を一番に大切にしています。私も実習を通じて改めて気づきました。

報連相は、この約束と実行を積み重ねるための行為です。


報告:実行結果を共有する

報告は、約束に対する実行の結果を共有する行為です。
「やります」と言ったことが、どこまで進んでいるのか。
それを伝えることは、自分が約束を守っているという証明になります。

報告があると、相手は不確実性から解放され、安心します。社会人になる前はあまり実感がありませんが、仕事の依頼主は自分が思う数十倍も気にかけています。
報告がないと、状況を想像するしかなく、不安や疑念が生まれます。


連絡:進捗や情報を共有する

連絡は、実行の進捗や関連する情報を共有する行為です。
たとえ内容が些細なことでも、「今こうなっています」「こんなことがありました」と伝えることで、上司は判断をしやすくなります。

仕事をしていると自分だけでは気づけない問題が発生することがあります。自分が完ぺきではないという前提で情報を共有することは予想外の失敗を未然に防ぐことができます。

社会人経験の年次に関係なく、私は今でも新領域の仕事をするときは連絡をこまめに行います。それは自分が当たり前だと思っていることが新領域では異なる可能性があるためです。


相談:判断の質を高める

相談は、約束をより良い形で実行するための行為です。
迷ったとき、早い段階で相談できる人ほど、結果的に信頼を得ます。
相談するときは必ず自分なりの仮説を持ちましょう。
現状と自分の仮説、そしてあなたならどう思いますか?までがセットです。

「懸念点が××です。私は●●と思うので、△△しようと思います。どう思いますか?」

なぜこうするかというと、いつか上司がいなくなって自分で仕事をするようになる日が必ずきます。その時、必ずあなたも何かを判断をすることになります。上司がいるうちに判断基準をすり合わせておくことは自分の成長につながります。

相談できる人がいるうちは相談した方が良いというのは、身近な人で判断基準のすり合わせができることが最大のメリットであると私は考えています。


信頼を壊す3つの行動

一方で信頼を失う行為もあると思ったので参考に書いておきます。指摘されることがほとんどないと思いますが、じわじわと信頼残高を下げていきます。

① 沈黙:報告をしない

「何も言わない」は「何もしていない」と誤解されやすく、信頼の残高を減らします。

「あれ、どうなってる?」思われている時点で、相手はかなり不安に思っています。なかには、ちゃんと「あれ、どうなってる?」と言ってくれる人もいますが、指摘されないこともあります。

② 独断:相談をしない

相談をせず独断で動くと、ミスが生じたときに信頼を損ねます。特に相談しないまま失敗したときは、関係者の状況確認から始めるため、周囲の人が助けることが難しくなります。また本来もっと早く相談していたら解決できたかもしれないことがあります。やってからではなく、開始前・実行中・終了後の3回のタイミングを意識できると良いと思います。信頼は、実行プロセスの透明性で生まれます。

③ 遅報:後になって言う

「落ち着いたら報告しよう」「もう少し整理してから」——そう思っているうちに、信頼は失われます。
報告の内容よりも、タイミングこそが誠実さの証です。
早く伝えることは、相手を信じているというメッセージでもあります。


おわりに

報連相は、上司に従うためのビジネスマナーではありません。
自分が仕事をやりやすくするための「約束と実行により信頼を構築する行為」です。

信頼残高が高まると「報連相」の頻度は下がります。最初は頻度が多く大変に思うかもしれませんが、どんな仕事をするにしても最初は「報連相」の頻度を意図的に多くすることをお勧めします。

関係者と判断基準がすり合ってきてから頻度を落としていきましょう。信頼残高が高いと自由に活動できる範囲が広がります。繰り返しになりますが、自分が自由に働くために報連相をしましょう。