PlaudNoteで記録した議事録を、AIとDataverseを使ってメルマガ素材として蓄積する仕組み
こんにちは!株式会社ジャパン・エンダストリアル杉山です。
今回は、PlaudNoteで記録した議事録を、AIとDataverseを使ってメルマガ素材として蓄積する仕組みを作った話をまとめます。
今回は、いつもと違って技術的な話になります。日々生成AIを使って自分たちの業務改善ができないか、いろいろ検証しています。
会議や商談、支援の打ち合わせでは、日々さまざまな気づきが生まれます。
しかし、その内容は議事録として残っていても、あとから活用されないまま埋もれてしまうことがあります。
特に、製造業のDX支援をしていると、現場で出てくる課題や、経営者の悩み、IT活用のつまずきには、他の企業にも役立つヒントが多く含まれています。
そこで今回は、PlaudNoteで記録した議事録をAIで読み取り、メルマガのネタとして使える形に整理し、Dataverseに蓄積する仕組みを作りました。
議事録は残しているだけでは活用されない
PlaudNoteのような録音・文字起こしツールを使うと、会議内容を簡単に記録できます。
ただし、記録が増えるほど、次のような課題も出てきます。
「どの会議に重要な気づきがあったか分からない」
「あとで見返そうと思っても、議事録が多すぎて探せない」
「メルマガや記事に使えそうな内容があっても、整理する時間がない」
「顧客名や個別案件の情報が含まれるため、そのまま外部発信には使えない」
つまり、議事録は残っていても、活用できる状態にはなっていないことが多いのです。
今回の目的は、議事録そのものをそのまま記事にすることではありません。
議事録の中から、読者に役立つ気づきを抽出し、会社名・人名・金額・個別案件名などを伏せたうえで、外部発信用の素材に変換することです。
PlaudNoteの議事録をAIでメルマガ候補に変換する
まず行ったのは、PlaudNoteの議事録をAIで読み取れるようにすることです。
PlaudNoteで録音した会議データをAIが確認し、その中からメルマガの候補になりそうなテーマを抽出します。
たとえば、製造業におけるAI活用や、加工条件のデータベース化に関する議論から、次のようなメルマガ候補が作成されました。
「熟練者の加工条件を『勘』から『使えるデータ』に変える第一歩」
このように、会議で出た具体的な話を、読者に伝わるテーマへ変換します。
重要なのは、議事録をそのまま使わないことです。
会議の内容には、顧客名、案件名、金額、具体的な設備名など、外部に出すべきではない情報が含まれます。
そのため、AIには「個別情報を出さず、読者に役立つ学びとして抽象化する」ことを意識させました。
Dataverseにメルマガ素材専用のテーブルを作る
次に、AIが作成したメルマガ候補を蓄積するために、Dataverseに「メルマガ素材」という専用テーブルを作りました。
最初は既存のAI記事用テーブルにテスト登録しましたが、継続的に運用するには専用テーブルが必要だと判断しました。
今回作成した「メルマガ素材」テーブルには、次のような情報を保存できるようにしています。
・メルマガ候補タイトル
・元の録音名
・録音日時
・PlaudファイルID
・読者に役立つ気づき
・背景
・現状
・今後について
・機密リスク
・匿名化方針
・推奨ランク
・公開ステータス
これにより、単に文章を保存するだけでなく、メルマガ制作の進行管理にも使えるようになります。
外部発信に使うために匿名化方針を設定する
今回の仕組みで特に重要なのが、「匿名化方針」です。
議事録には、顧客固有の事情や、まだ公開できない情報が含まれます。
そのため、素材ごとに次のような区分を設定しました。
・公開可
・匿名化なら可
・要確認
・公開不可
たとえば、一般的な業務改善の話として使えるものは「公開可」にできます。
会社名や個別事情を伏せれば使えるものは「匿名化なら可」です。
一方で、顧客確認が必要なものは「要確認」、外部発信に向かないものは「公開不可」とします。
この区分を持たせることで、AIが作った素材をそのまま外に出してしまうリスクを減らせます。
メルマガ制作の進み具合をステータスで管理する
もう一つ大事なのが、「公開ステータス」です。
メルマガ素材は、作っただけでは終わりません。
候補として保存し、本文を書き、確認し、配信し、配信後に記録を残す必要があります。
そこで、次のステータスを用意しました。
・未整理
・候補化済
・執筆中
・確認中
・配信済
・没
これにより、今どの素材が使える状態なのか、どれが確認待ちなのか、どれが配信済みなのかを管理できます。
議事録から作った素材を、単なるメモではなく、発信活動のデータベースとして扱えるようになります。
AIの出力は保存して初めて資産になる
今回やってみて感じたのは、AI活用では「AIに何をさせるか」だけでなく、「AIが作ったものをどこに保存するか」が重要だということです。
AIは文章を作ることができます。
議事録を要約することもできます。
メルマガの候補を出すこともできます。
しかし、それを毎回チャット上で終わらせてしまうと、次の活用につながりません。
大切なのは、AIが作ったアウトプットを、あとから検索・確認・再利用できる形で保存することです。
今回の仕組みでは、PlaudNoteの議事録をAIで読み取り、メルマガ素材としてDataverseに蓄積できるようにしました。
これにより、候補化済みで、推奨ランクAの素材だけを一覧で確認できます。
また、匿名化すれば公開できる素材だけを選び、その素材をもとにAIでメルマガ本文を作ることもできます。
次はDataverseの素材からメルマガ本文を作成する
今回の取り組みで、PlaudNoteの議事録をメルマガ素材としてDataverseに蓄積するところまでできました。
次に進めたいのは、Dataverseに保存した素材をAIに読み込ませ、メルマガ本文の作成まで行うことです。
具体的には、Dataverse上で「候補化済」「推奨ランクA」「匿名化なら可」の素材を抽出します。
その内容をもとに、AIがメルマガ本文を作成します。
本文作成時には、単にきれいな文章にするのではなく、読者が「自社でもありそうだ」と感じられる内容にすることが大切です。
特に中小製造業では、AIやDXの話が抽象的になりすぎると、自社に関係のある話として受け止めにくくなります。
そのため、今後は次のような構成でメルマガ化していきたいと考えています。
背景として、なぜその課題が起きているのか。
現状として、多くの企業でどのような状態になっているのか。
今後について、まず何から取り組むとよいのか。
この流れで整理することで、単なる事例紹介ではなく、読者が自社の状況を見直すきっかけになるメルマガを作れると考えています。
議事録を情報発信の資産に変えていく
今回の取り組みは、まだ小さな仕組みです。
しかし、日々の会議や支援記録から学びを抽出し、それを発信につなげる仕組みができれば、会社としての知見を蓄積し続けることができます。
AIを使う目的は、単に文章を早く作ることではありません。
現場で生まれた気づきを整理し、必要な人に届く形に変えることです。
議事録は、ただ保管するだけでは埋もれてしまいます。
しかし、AIで抽出し、Dataverseで管理し、メルマガや記事として発信できる形にすれば、会社の知見として活用できます。
今後も、こうした仕組みを少しずつ整えながら、製造業のDX推進に役立つ情報発信を続けていきたいと思います。









