弊社に関心を持っていただきありがとうございます。株式会社ジャパン・エンダストリアル 杉山です。このコラムではインターンシップを検討されている方向けにインターンシップの設計に込められた意図をまとめています。関心がある方はぜひご一読ください。

仕事や人材育成について考えていると、「社会に必要な人材とは何か」という問いに、何度も立ち戻ります。

スキルがある人、知識が豊富な人、成果を出せる人。
これまで評価されてきた基準は、確かにわかりやすいものでした。
一方で、現場や地域に向き合う中で、それだけではうまく回らない場面も増えていると感じています。

変化が早く、正解が見えにくい時代において、本当に求められている人材は何なのか。
その問いを、自分なりに整理してみたいと思い、今回のコラムを書くことにしました。

社会に必要な人材とは何か

まず、結論からですが、これからの社会で本当に必要とされるのは、特定の専門知識を多く持っている人そのものではないと考えています。

不確実な状況の中で立ち止まり、状況を理解し、他者と協働しながら、価値を少しずつ形にしていける人。
そうした人材こそが、これからの社会や地域においてますます重要になっていくのではないでしょうか。

そのような人材には、いくつか共通する要素があります。

まず、①現実を構造的に捉える力です。
問題を感覚や属人性だけで処理するのではなく、情報やデータ、背景を整理し、「何が起きているのか」を構造として理解しようとする姿勢です。

次に、②自分の関心や強みを社会と接続できる力です。
「好き」「得意」で終わらせるのではなく、それが誰の役に立つのか、どのような価値になりうるのかを考え、他者や組織、地域にとって意味のある形に編集できることが求められます。

また、③ツールを目的ではなく手段として扱える力も欠かせません。これは力というより考え方かもしれません。ITやAIを使いこなすこと自体がゴールなのではなく、課題解決や価値創出のために、適切に選び、使い、手放す判断ができることが重要です。

そして最後に、④他者と対話し、学び続ける姿勢です。
正解を知っている人よりも、問いを立て、対話し、自分自身を更新し続けられる人。
こうした姿勢を持つ人材は、業種や職種を超えて、社会にとって不可欠な存在になっていきます。


私たちの事業が果たす人材育成の役割

私たちの事業は、単なるDX支援やツール導入ではありません。
本質的な価値は、「人が育つ環境そのものを設計していること」にあると考えています。

製造業や中小企業の現場をテーマに、実際に存在する課題を起点として事業を展開することで、机上の空論ではない、社会と地続きの思考力が育っていきます。

学生や若手にとって、「学んだことが社会でどう使われるのか」を実感できる経験は、決して多くありません。だからこそ、現場と直結した学習機会には大きな意味があります。

Power Apps や SharePoint を使った取り組みも、単なるITスキルの習得が目的ではありません。
情報を整理し、目的に合わせて設計し、他者が使える形にする。
その一連のプロセスを通じて、編集力や構造化力といった、どの業界でも通用する思考の基礎を育てています。

また、研修企画や発表、JOURNAL作成などを通じて、弊社のインターン生は自分の関心を「他者にとって意味のある価値」へと翻訳する経験を積みます。
これは自己表現ではなく、社会的表現を学ぶプロセスであり、社会に必要とされる人材の核となる力です。

さらに、学習から就業・実務へは段階的につなげています。
全員を一律に実務へ押し込むのではなく、学び、試し、振り返り、対話する。
そのプロセスを経たうえで、本人と会社双方が納得した場合に次のステップへ進む。
この設計は、人を消耗させないための育成モデルです。

長期的に社会で活躍できる人材を育てる。
その姿勢そのものが、私たちの事業の根幹にあります。


おわりに

私たちは、「人が社会とつながりながら育つ場を提供する会社」でありたいと考えています。

人が育ち、変化し続けること。
その積み重ねが、結果として社会に価値を返していくことにつながると考えています。その思想のもとインターンシップや実習プログラムを設計しています。