日本の自動車産業は、長大なサプライチェーンによって構成されている。自動車はひとつの自動車をつくるためにもさまざまな部品が必要である。ガソリン車(内燃機関車)は約3万点、電気自動車も約2万点程度の部品によって構成されています。この部品を生産する企業数は、日本国内だけでも、自動車関連の裾野産業は約3万社、550万人以上が従事していると言われています。
ひとつの自動車をつくるためにも、これだけ多くの企業が関わっています。そして、企業1社ごとに生産や品質、コストに関わるデータを持っています。各社がより効率的にコストを抑えてよい品質のものをつくるための努力をしています。
今、弊社では地域の支援基幹と連携し、このサプライチェーンの中に流れるデータを共有する仕組み創りを始めています。具体的にはPower PlatformというMicrosoftの技術を基盤に1社で蓄積されたデータをダッシュボードとして可視化し、タイムリーに共有する仕組みを構築しています。
弊社は伴走支援という形で1社ごとに深くDX支援をしてきました。個社ごとに生産と品質、コストに関わるデータをどのように取得すると良いか研究してきました。この蓄積したデータをダッシュボードとして可視化するノウハウを保有しています。これからは、弊社のクライアントが指定した取引先にタイムリーに情報共有できるシステムを構築していきます。
この発想はCatena-X(カテナエックス)を参考にしています。Catena-Xは2021年、ドイツを中心に自動車業界大手が共同で立ち上げた非営利コンソーシアムで、自動車産業におけるデータ共有の標準基盤をつくり、サプライチェーン全体の透明性・効率性を高めることを目的としています。