株式会社ジャパン・エンダストリアルでは、Microsoft製品を用いたDXに役立つアプリ・システムを受託開発しています。(現在は完全な受託開発ではなく、研修の一環で共同開発のみ対応しています。)ここでは、弊社が開発した「勤怠管理システム・有給申請システム」についてご紹介します。
導入したお客様の声
導入企業
株式会社ケント・コーポレーション
(http://www.kentocorp.co.jp/index.html)
導入部署と利用者
導入 :総務部で管理・運用
利用者:全一般職員(正規職員、非正規職員)
導入の背景
株式会社ケント・コーポレション(以下、同社)は、公共施設の管理運営業務を委託しており、さいたま市内を中心に本社含め12拠点(2023年2月現在)が点在している。各拠点では、夏期は180名以上、冬期は360名以上が正規・非正規職員として勤務している。
職員の勤怠管理は、従来、タイムカードを用いて集計し手動で勤務時間を計算、その後給与ソフトに再度手動で入力していた。そのため各拠点からのタイムカードの回収、勤務時間及び給与の計算に大きな時間と労力を割いていた。
この状況を改善するため、勤怠管理システムの導入の検討を開始した。しかし、複数の既存SaaSやサービスを仕様したものの、特殊な勤務環境(部門によっては1人が複数の時給を持っていたり、特別な資格を必要とする場合はその分の手当の計算も必要 など)の影響があり既存のパッケージサービスでは同社に導入することができなかった。同社の複雑な給与計算を実装できるオリジナルシステムを開発することに決定した。
システムについて
システム概要
出退勤をタブレット端末を用いて入力し、職員固有のIDと紐づけることで自動で勤怠が記録される。日次・月次の集計は自動で行われ、責任者の承認によって正規記録として管理される。
付属する有休申請システムでは、職員がタブレット上より申請を提出することができる。また、有休の付与日数/時間については、会社規定の方式よって勤怠管理システムと連動し、自動で算定される。
システムUI(勤怠登録画面・月次集計画面・編集画面)
開発期間
開発者
杉山 純一 / 株式会社ジャパン・エンダストリアル
松本 怜 / 株式会社ジャパン・エンダストリアル
(https://emdustrial.co.jp/member/)
使用したプロダクト
- Microsoft製品:ライセンスはMicrosoft Business Standardを契約
補助金の活用
同社では今回のシステム導入に際し、さいたま市が公募した「さいたま市DX推進補助金」を活用した。申請時は得られる効果やきっかけを(2枚程度)のレポートを、申請後はタブレットの見積もりや実証効果の測定には時間を要したものの、報告時もレポートの提出(2枚程度)するだけであり、それほど負担とはならなかった。交付申請額も40万円となり、非常に大きな補助となった。レポート提出のアドバイス及び情報提供をジャパン・エンダストリアルがサポートした。
導入効果
【勤怠管理】
- 市内外に点在する12拠点からのタイムカード回収作業が不要になった
これにより、タイムカードの回収遅れによる給与計算作業の時間的圧迫が解消された - タブレット打刻になったことにより、月次集計が自動化され集計作業における勤怠管理業務工数が大幅に削減された
- 自動化により、手動による人的ミスによるリスクが軽減された
【有休申請】
- 紙ベースでの申請からタブレット上での申請に切り替わり、勤怠システムとの連動によって管理業務工数が削減された
- 勤務日数と勤務時間の集計自動化により、有休付与日数と付与時間算定にかかる労務が大幅に削減されることが想定される。
全体で、勤怠管理システム導入による工数は、2023年2月度実績で1,930分(約32時間)削減となった。
今後の展望
システム化を受けて、勤務状況の分析に活用に活用(Power BIなどとの連携も視野)することでこれまで以上に法令遵守を徹底していく。
また、現場の支援に行く場合の給与計算や時間計算など、今回のシステムには導入せず現在も手作業で行っているものも今後自動化していきたい。
お客様の声
システムは段階的に導入しており、現在は本社と川口拠点で順次利用を開始しています。
最初は画面が消えてしまうなどのトラブルも数日ありましたが、今では職員が自分で電源を入れて入力できるようになりました。UI(画面デザイン)に戸惑うこともありましたが、利用を続けることで慣れ、現在では混乱もなくスムーズに使うことができています。正規職員は自ら月次勤務日数・時間の集計を実施しますが、こちらも導入したシステムを用いて問題なくできています。
現場の1つである川口拠点の責任者からも「使いやすい」という声があります。一方で、今後導入するいくつかの拠点では普段パソコンを使わない責任者が管理しているため、これらの拠点への導入にはまだ不安がありますが、勤怠システム導入による管理者の作業負担の軽減と作業効率の向上に期待しています。